浦島太郎に登場する亀の正体 古代中国の伝承にある四霊のうちの霊亀(れいき)
性別:女
名前:亀姫

浦島太郎に登場する亀の正体は、古代中国の伝承にある四霊のうちの霊亀(れいき)です。

霊亀(れいき)とは数千年を生きている亀のこと。

物語に登場する亀の性別は女性、名前は亀姫です。

この記事では、浦島太郎に登場する亀が何を暗示しているのかについて詳しく解説しています。

興味のある方は、続きをご覧ください。

浦島太郎に登場する亀は霊亀(れいき)である

亀は古代中国の伝承にある四体の端獣(ずいじゅう)のひとつである霊亀です。

瑞獣(ずいじゅう)とは

瑞獣(ずいじゅう)とは、特別な特徴を持つ動物のこと。4つの端獣がいるとされています。

次の4つです。おめでたい兆しがあるときに現れると考えられていました。

応龍 翼の生えた龍
麒麟 鱗の生えた一角獣(ユニコーン)
鳳凰 鳥類の王者
霊亀 齢数千年の亀

古代中国のアニミズムで、信仰の対象になっていたのでしょう。

霊亀の甲羅の上にあったもの

古代中国の神話では、霊亀は、甲羅の上に「蓬莱山(ほうらいざん)」という山を背負った巨大な亀とされています。

そして、蓬莱山には不老不死となった仙人が住んでいたのです。

浦島太郎に登場する竜宮城は、霊亀の甲羅の上にあった蓬莱山を暗示していると考えられます。

浦島太郎は古代中国の神仙思想の物語

神仙思想とは?

中国古来の神仙を信仰し、不老不死などを願う思想のこと。

神仙思想は紀元前3世紀頃から、中国の山東半島を中心に広がったもので原始的な宗教であるアニミズムの一種と言ってよいでしょう。

神仙とは、不老不死の仙人のこと。

人間が修行と仙薬によって不老不死になることを信じていました。

神仙思想は後に道教に取り入れられることになります。

なぜ中国の神仙思想が日本の物語になったのか?

中国の神仙思想がなぜ日本の浦島太郎の物語になったのでしょうか?

それは、古代中国から日本にやってきた徐福という人物が鍵を握っています。

古代中国では、山東半島のはるか東の海中に蓬莱山という神仙が住む山があり、そこに不老不死の仙薬があると信じられていました。

秦の始皇帝は、不老不死になりたくて、その仙薬を持って帰ってこいと、ある人物に命令します。

それが徐福。

徐福は蓬莱山に向かいました。

この蓬莱山は、日本のことで、徐福は日本に来たのではないかという伝説が残っています。

丹後半島の端に新井崎神社という神社があります。

この神社は徐福を祀る神社だとされています。

仙薬を求めて日本にやってきた徐福と、現地の人たちの交流があったということです。

徐福と交流した人たちの中から、浦島太郎の物語が生まれたのではないでしょうか。

浦島太郎の物語の原型

浦島太郎の物語の原型は、「丹後国風土記」の記述とされています。

5世紀後半の第21代天皇である雄略天皇の時代です。

そのお話は私たちがよく知っている浦島太郎の物語とは少し異なっています。

浦島太郎の原型のストーリー

浦島太郎の原型のストーリーは次のようなものです。

時代は雄略天皇22年(神代478年)の時、雲龍山の麓、筒川庄水の江の里に住む青年、浦嶋子は一人舟で釣りに出ました。 3日3晩の釣りをして、五色の亀を釣りあげます。 青年がうたた寝をしている間に亀は絶世の美女に変身し、嶋子は誘われるままに常世の国に連れて行かれました。 美女の名は亀姫といいます。 嶋子は常世の国で姫と結婚し夢のような3年間を過ごしました。 あるとき故郷が懐かしくなり、一人帰郷します。 亀姫はその別れ際に、決して開けてはならないと注意して玉櫛笥(たまくしげ)を嶋子に渡しました。故郷に帰ってみると、なんと300年が経過。 すでに知る人もなく呆然としてつい玉手箱を開けると、若々しい肉体は瞬く間に天空に飛び散り、鶴になります。 そして大空へ飛び立ち、亀に姿を変えた亀姫と再会します。ふたりは結婚して末永く幸せに暮らしました。

私たちが知っている後味の悪い結末とは異なり、ハッピーエンドですね。

なぜ結末が変わったのでしょうか?

浦島太郎の物語は時代によって、いろいろなパターンがあるようです。

乙姫・竜宮城・玉手箱というおなじみのキーワードが登場するのは、江戸時代初期の頃だったようです。

現在のストーリーになったのは、明治29年に巌谷小波(いわやさざなみ)氏が書いた「日本昔噺」の中の浦島太郎から。

巌谷氏がなぜ結末を変えたのかはよくわかりませんが、何らかの教訓を示したかったのでしょう。

明治29年といえば、日清戦争の2年後。富国強兵の時代です。

国民教育の一環として物語が使われたのかもしれません。

浦島太郎の教訓とは?

一般的に言われている教訓

浦島太郎の物語の教訓として言われるのが次の2つです。

①良いことをしたら良いことが返ってくる

→亀を助けた浦島太郎が竜宮城でいい思いをする。

②約束を破るとひどい目にあう

→約束を破って玉手箱を空けたために、老人になってしまった。

こんなことが言われていますが、「無理矢理すぎるだろ!」とツッコミをいれたくなるのは私だけでしょうか?

浦島太郎の真の教訓とは?

私は思うのですが、浦島太郎の物語には教訓などありません。

神仙思想の物語ですから。

古代中国人の妄想が日本に伝わって作られた物語です。

不老不死への願望が作り出したストーリーです。

ただ、それだけ。

それを、おそらく国民教育に使おうとして、ストーリーを捻じ曲げたと思っています。

まとめ

浦島太郎に登場する亀は不老不死の象徴。

浦島太郎は、古代中国の神仙思想の影響を受けて作られた物語です。

古代から、人は「もっと長く生きたい」という願望が強かったということがよくわかります。

始皇帝の遣いで日本にやってきたとされる徐福と、現地の人たちがどんな交流をしていたのかを想像するのも楽しいですね。