リーアム・ニーソン主演のスノーロワイヤルを見た感想です。

ごめん、面白くないです。

リーアム・ニーソン大好きなだけに、「なんでこの仕事受けたの?」って聞きたい。

60分過ぎまで頑張ってみましたが、以降は2倍速にしてしまいました。

最初の15分くらいは良かったんです。

さすがリーアム主演映画!面白くなりそう!と思ったのですが、やがて「あれ?面白くないかも?」という疑念が湧き、失望へ。

なんのメッセージ性もなければ、ハラハラドキドキ感もない。何を訴えたいのか不明!

  • もしかして息子を殺された親父の連帯感がテーマ?そんな薄い話?
  • 噛み合わない復讐劇という皮肉?

見終わって最初につぶやいた言葉が「リーアム、なんでこんな仕事受けたの?」でした。

面白くなる要素はあったのに!

ということで、今回はスノーロワイヤルの解説をしながら、無謀にも「こんなストーリーだったら面白かったのに!」というグチを書いていきたいと思います。

スノーロワイヤルを見て、ガッカリした人はぜひお付き合いください。

スノーロワイヤル作品情報&興行成績

監督:ハンス・ペテル・モランド
原作:キム・フップス・オーカソン
キャスト:
リーアム・ニーソン ネルズ・コックスマン
ローラ・ダーン グレイス・コックスマン
トム・ベイトマン バイキング
エミー・ロッサム キム・ダッシュ

スノーロワイヤルは全米2630館で公開され、公開初週末に1103万ドルの興収、週末興行収入ランキング初登場3位でした。

Wikipediaによると

製作費 $60,000,000に対して、興行収入 $74,262,782なので、失敗作とは言えませんが、面白くないよ!

スノーロワイヤルmovie trailer

スノーロワイヤルのあらすじ

息子を殺された父親が真相を知り復讐を行なうが、2つの犯罪組織の抗争に巻き込まれていく物語。

ネルズ(リーアム・ニーソン)の1人息子が麻薬の過剰摂取に偽装され、殺されてしまう。

息子が麻薬などやっていないと信じるネルズだが、妻からも責められ、息子のことをわかっていなかった後悔もあり自殺しようとする。

しかし地元の麻薬王バイキングの組織に息子が殺されたことに気づいたネルズは、素手や銃、さらには除雪車で、息子の殺害にかかわった組織の人間を1人また1人と殺していく。

ネルズの復讐劇を敵対する原住民の麻薬組織によるものと勘違いしたバイキングは敵対組織のボスの息子を殺害。

相手もその報復に乗り出し、ネルズの復讐劇は2つのマフィア、さらに警察をも巻き込んだ戦いへと突入する。

スノーロワイヤルが面白くない原因

あらすじだけ見たら面白そうでしょ?

「96時間」の無双親父を期待しますよね?

でも違うんです。面白くないんです。

スノーロワイヤルが面白くない原因を3つあげます。

●中途半端

アクションメインなのか、コメディメインなのか、ドラマ性メインなのか、中途半端すぎる。

ジャンルをミックスするのは全然ありだけど、何が主なのかわからない。

●主人公に感情移入できない

息子を殺されて、息子のことを理解できていくて自殺しそうになるところでは感情移入できるのですが、そのあとが全然ダメ。感情移入ポイントがない。

ストーリーを動かす要因の多くは主人公の感情の変化にあるのですが、この映画にはそれがない。

●セオリー無視

人が面白いと感じる映画は構造が決まっています。それを完全無視していると思います。

これについては後で説明します。

スノーロワイヤルが面白くない理由にさらに踏み込む

では、もう少し理論的にスノーロワイヤルが面白くない理由を考えてみます。

ハリウッド式の脚本術をあつかった本に「SAVE THE CAT(セイブ・ザ・キャット)の法則 本当に売れる脚本術」という本があります。

この本では「すべての映画は10種類のストーリーに分類できる」と主張しています。

10種類とは

1.家のなかのモンスター
2.金の羊毛
3.魔法のランプ
4.難題に直面した平凡な奴
5.人生の節目
6.バディとの友情
7.なぜやったのか?
8.バカの勝利
9.組織のなかで
10.スーパーヒーロー

スノーロワイヤルはこの10種類の中では「4.難題に直面した平凡な奴」に入ります。

このタイプのストーリーを面白くする要素として

1.平凡な主人公
2.突然の出来事
3.存続か滅亡

これらが必要です。

スノーロワイヤルについていえば、

1.平凡な主人公 = ネルズ・コックスマン
2.突然の出来事 = 息子の死

これはあるんですが

3.存続か滅亡

これが不十分なんですよ。主人公にピンチがないから、存続に感動がないんです!

さらにこの本には「ブレイク・スナイダー・ビート・シート」というストーリーテンプレートがあります。

これは神話の法則で有名なシド・フィールドの三幕構成をもとに作られた物語のテンプレートです。

一応書いておくと

1.オープニング・イメージ(1):物語のイメージや雰囲気を伝えるシーン
2.テーマの提示(5):作品のテーマを提示
3.セットアップ(1~10):登場人物や舞台などの物語の設定を説明
4.きっかけ(12):物語が動き出すきっかけになるできごと
5.悩みのとき(12~25):きっかけとなるできごとによって主人公が悩む
6.第一ターニング・ポイント(25):主人公が自らの意志で行動して物語が本格的に動き出す
7.サブプロット(30):メインから少し離れたサブストーリー
8.お楽しみ(30~55):作品の売りになる部分
9.ミッド・ポイント(55):物語の流れが変わるポイント
10.迫り来る悪い奴ら(55~75):主人公に困難が襲いかかる
11.すべてを失って(75):主人公のどん底
12.心の暗闇(75~85):夜明け前の苦悩
13.第二ターニング・ポイント:解決策を見つける主人公
14.フィナーレ(85~110):主人公の勝利
15.ファイナル・イメージ(110):オープニング・イメージと対になるシーン。主人公の変化・成長

( )内は110分の映画を想定した場合の分数です。

この流れに当てはめてスノーロワイヤルを見ると

8.お楽しみ ⇒ここまでは良かったんです。とてもスムーズに見れました。

息子の死によって悩み、復讐を誓って動き出す。

サブプロットとして

●バイキングと息子の関係性
●地元警察官2名の正義感の対立

これらが描かれます。

そしてネルズの復讐劇がスタート。

3人目の”サンタ”を殺したときにネルズがバテバテになっていたのはちょっと「あれ?」と違和感がありましたが、それでもここまでは良かった。

この後ですよ。台無しになってきたのが。

9.ミッド・ポイント ⇒ ホワイトブルの息子が殺されてハイウェイの看板に吊るされた場面でしょう。

この後、セオリーに従えば、主人公ネルズの危機が訪れるのですが、この流れの変え方では主人公の危機につながらないわけですよ。

困難は訪れないし、失うものがないし、苦悩の末に解決策にたどり着くという葛藤も描かれない。

この辺から置き去りにされた感があって、2倍速にして流しました。

やっぱりセオリーは大切ですよ。セオリーをアレンジするのと、セオリーから外れるのは違うと思います。

そしてスノーロワイヤルは完全にセオリーから外れています。

だから面白いと思えない。

セオリーから外れても面白ければノープロブレムですが、セオリー外して面白くないというのは、製作者の自己満足ではないでしょうか。

こんな展開だったらよかったのに

Wikipediaによると、

本作は批評家から好意的に評価されている。映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには154件のレビューがあり、批評家支持率は70%、平均点は10点満点で6.22点となっている。

こんなことが書かれていますが、ホントですか?

ブラックジョークとして見れば楽しめるんですか?

でも、もっと面白くできたと思うんですけど。

「96時間」のパクリと言われようが、スーパーヒーローものにしたほうが面白かったと思うし、息子を理解できていなかったという父親の苦悩をテーマにしても面白かったと思うんですよね。

リーアム・ニーソンならどちらも演じられるのですから。

個人的には父親の苦悩、家族愛をテーマにして欲しかった。

息子が麻薬で死亡

そんなはずはないと息子を信じながらも、息子を理解できていなかったかもしれないと苦悩

妻との仲が険悪になり妻が出ていく(これは本作にもありました)

息子の死が麻薬によるものではないかもしれないという情報

情報をたどっていくが、あと一歩のところで壁にぶつかり手がかりが途切れる

絶望する主人公

思わぬところから新たな手掛かりが見つかる

息子の死の真相にたどり着き、息子から父への想いも明らかになる

夫を誤解していた妻との和解

ベタですが、こんなストーリーラインのほうが見ごたえ出ると思うんですけど。

あ、最後にネルズとホワイトブルが息子を殺された同士、気持ちを通じ合うというシーンは良かったです。

リーアム・ニーソンの次回作に期待!

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